男神坐像だんしんざぞう

  • 平安時代
  • 11c
  • 木造彩色
  • H-62 W-35

一般に神像とは、神性を、人間像もしくはそれに類似した姿で表し、礼拝の対象あるいは祭祀的な役割をもたせた彫像をいうが、日本では特に神道の礼拝像を指す。本来神道には造像の習わしはなかったが、神仏習合思想の発生とともに仏像にならって造られるようになった。俗体で表されたこの男神像は、貴人の正装である束帯姿であり、やや切れ上がった目尻は強面の印象を与える。保存状態は比較的よく、平安時代の男神像の典型的な姿を伝えている。