狛犬像(阿形・吽形)こまいぬぞう(あぎょう うんぎょう)

  • 平安時代
  • 12c
  • 木造彩色
  • H-45.5

 狛犬は本来、高麗から日本に渡来した霊獣を象ったものといわれる。平安時代には、口を開けた阿形の獅子と口を閉じた吽形の狛犬が一対となって殿内の天皇皇后両陛下の几帳の前に安置され、重しと魔除の役目を果していた。狛犬と獅子は次第に混同されるようになり、やがて両者は差異がなくなっていった。一般に、狛犬は威厳に満ちた顔貌と張り出した胸の力強さが強調されるものが多いが、この像は平安時代の作風をよく残し、穏やかな気品に溢れた作品となっている。