絵唐津柳文輪花向付えがらつやなぎもんりんかむこうづけ

  • 佐賀県・唐津窯
  • 桃山~江戸時代
  • 17世紀
  • 施釉陶製
  • H-6.2 D-18

 美濃窯と並んで雅味豊かな茶陶を量産した唐津窯の作品には、絵唐津の茶碗や向付にも優品が多い。唐津焼の向付には美濃窯で焼かれた作行きに近いものが数多く見られる。慶長年間に唐津から美濃の元屋敷に連房式登窯が導入される以前から、互いに交流があったようである。この鉢はもともと五客組だったものと思われる。口縁の鍔は8ヶ所を押し込んで輪花となし、口縁から内側全面にわたって柳が生き生きと描かれ、志野とよく似た風合いを発している。全体に赤っぽく発色した釉調の柔らかな鉢である。

唐津焼(からつ)

佐賀県西部から長崎県一帯にかけて焼かれた陶器。窯跡は広範囲に広がっています。開窯時期は天正年間とされていますが、大々的に発展したのは豊臣秀吉による文禄・慶長の役(丁酉倭乱)(ていゆうわらん)で朝鮮の陶工たちが日本に連れてこられて以降のことです。桃山時代の作品は特に茶陶に優品が多く、江戸時代前期までその様式は引き継がれました。


奥高麗茶碗 銘 入舟 瀬戸唐津茶碗 絵唐津水指 銘 十字むしもち 絵唐津筒向付 絵唐津矢文向付 奥高麗水指 銘 明月 唐津大皿 本手瀬戸唐津茶碗 銘 雲井