金虎(一対)きんこ

  • 中国・東周時代
  • 9-8cB.C.
  • 金製

古来龍と虎の表現は大変類似しており、龍の心象形成に大きく関係していたことが考えられる。実際に殷代の龍の側面表現は虎と大変類似しており、一足を龍、二足を虎という見方もある。一説にき龍(一本足の龍)の前半身が虎であり、後半身ががく魚(鰐)の表現であるとも言われるが、殷、周を通じ龍頭は方形に近い表現がなされ、今の形に近い細長い龍の頭部は戦国時代に至りようやく見られるようになったのである。しかも殷青銅器に見られるシャーマンと思われる人物と組み合わされた獣は虎の形姿をとったものが殆どであり、虎形の獣は天地をつなぐ重要な役割を荷っていたと考えられる。