彩漆木彫鹿さいしつもくちょうしか

  • 中国
  • 中国・東周時代後期
  • 4-3cB.C.
  • 木製漆塗、鹿角
  • W-41

この横たわる鹿の体躯には涙滴状の意匠が施され、角は実物の鹿角を一対つける。鹿は古来楚の文化では特有の地位を占めていた。楚では鹿の殉葬が頻繁に見られ、生きた鹿の殉葬、角のみの殉葬、更にはここに見られるような木製鹿の副葬などが行われたが、鹿は死者の依り代であるとともに昇天を導き護る重要な獣であったと考えられる。また湖北省荊州江陵の楚墓群からは、しばしば円形の小鼓を背中後部に取り付けた木彫の鹿が、鎮墓獣とともに出土しており、鹿が祭祀の奏楽とも何らかの深いかかわりを持っていたことが知られる。