彩漆木彫双身双首鎮墓獣さいしつもくちょうそうしんそうしゅちんぼじゅう

  • 中国
  • 中国・東周時代後期
  • 4-3cB.C.
  • 木製漆塗、鹿角
  • H-104

この強く様式化されたS字型の霊獣が背中合わせに方形の器座上に立ち、各々実物の鹿角を方形の頭につけている。矩形の断面に面取りされた体躯には黒漆地に赤い漆で雲気、方形の結節部には菱文が描かれ、体側の両脇にはその体躯の屈曲に合わせS字型に体をくねらせ長い舌を吐く三組の龍が各々描かれている。おそらくこの霊獣は龍を表現したものではないかと想像される。あるいは死者の昇天を導き護る鹿の働きを、龍が荷うようになって行ったことを示しているのかもしれない。古来、龍は吐舌する形象に作られているが、特にこれは平たい大きな舌を垂らし、邪鬼を威嚇する意味を持たされたものであろう。