自然との同化


建築容積の約80%は地下に埋設されていて、来館者はガラス屋根が山の斜面から浮き出ている以外、建物の全景を目にすることはできない。

埋設された建築
市街から離れ、深い緑に囲まれた山中にあるMIHO MUSEUMは、山の尾根と尾根とをトンネルと橋で渡すことと、樹影の濃い斜面に建物を埋設させることで、可能な限り自然を残し、周辺の景観との調和をはかることを目指しました。建築容積の約80パーセントが地下に埋設された設計は、設計者I.M.ペイ氏が理想郷としてのランドスケープをここに作り上げようとする意図がうかがえます。

開放感あふれる眺望
一歩建物の中に足を踏み入れると、それまでの空間はドラマチックに変化します。モダンにデザインされた入り母屋型の屋根からはスカイライトが明るく差し込み、ライムストーンでできた壁面の温かみのある色と質感に、遠くの山並みがパノラマとなって広がる眺望が相まって、大自然のただ中にいるような不思議な開放感を感じます。

「自然の中に同化した建物の姿が、非常に意識的にデザインした結果だということをわかってもらえると信じている」とペイ氏が語ったように、自然の中に埋め込まれた建築、同時にそれ自体が自然と写る建築の両面性を見事に実現しています。