瀬戸大津手茶入 銘 長橋せとおおつでちゃいれ ながはし

  • 愛知県・瀬戸金華山窯
  • 江戸時代
  • 17世紀
  • 瀬戸金華山陶製
  • H-7.7

 和物茶入の中で古い歴史をもつ瀬戸は、時代別・窯別に大きく古瀬戸・真中古窯・金華山窯・破風窯・後窯・国焼の6種に分けられる。この茶入はその中の金華山窯で焼かれた、大津手と呼ばれるものである。金華山の名は、美濃・金華山で採れた土で焼かれたからとも、金色に変化する釉調の美しさからきているともいわれ、飛鳥川、広沢、真如堂など多くの手がある。本歌の大津は、小堀遠州が大津でこれを見出したことからその銘があるとされ、のちに松平不昧の所蔵となっている。裾広がりの安定感のある肩衝で、艶々とした厚みのある柿金気釉の中に一筋の黒なだれは置形をなし、重厚な感のある本歌の特徴を、この茶入もよく踏襲している。(淡交社「原色茶道大辞典」参照)