蓮華形柄香炉
- 鎌倉時代
- 13c
- 木製彩色(桐)
- H-6 D-9 W-32
- 所蔵
- 唐招提寺伝来
柄香炉とは香を薫ずるための供養具で、僧が手に持って使用したものである。これは炉の部分を蓮華に、柄の部分を蓮の茎に見立てた柄香炉で、炉には朱で連弁が描かれている。木製の器胎に彩色が施されているため、軽やかな印象を受ける美しい作品である。鎌倉時代、奈良の唐招提寺では、仏陀や聖者の遺骨である舎利を容器に納め、それを堂内に安置して供養する舎利会が盛んに行われた。これはその法要のために造られたものと思われる。唐招提寺にこれとほぼ同形の柄香炉が伝わっている。