千鳥文蒔絵小箱(破笠細工)ちどりもんまきえこばこ(はりつざいく)

  • 江戸時代
  • 18世紀
  • 木製漆塗蒔絵、螺鈿、象嵌
  • H-10.7 D-18 W-18.2
  • 所蔵
    MIHO MUSEUM

 摺漆塗の器胎に蒔絵と螺鈿・陶片・ガラスを使って群れ飛ぶ千鳥を意匠した箱。上部の周囲に透かし彫りされた松皮菱文が松林を抽象し、木目を活かした器胎は打ち寄せる波を表したものであろう。作者の小川破笠(おがわはりつ/1663-1747)は、陶片・堆朱・牙角・などを蒔絵とともに用いることで、異色を放った作品を生みだし一世を風靡した。また幕末から明治期にかけては「笠翁細工(りつおうざいく)」として西欧においても人気を博した。