高取桔梗形向付たかとりききょうがたむこうづけ

  • 福岡県・高取窯
  • 江戸時代
  • 17世紀
  • 施釉陶製
  • H-6.2 D-13

 高取焼は筑前藩主・黒田長政の命によって、朝鮮陶工の八山(高取八蔵)が開窯したと伝えられている(「高取歴代記録」)。黒田家の御用窯として幕末まで活況を博した。初期の窯は鷹取山麓の永満寺宅間(現在の福岡県直方市)に築かれたが、その後度々移転した。寛永年間に白旗山では小堀遠州の指導を受けた、いわゆる遠州高取が焼き始められ、遠州七窯の一つに数えられた。遠州好みの瀟洒な茶陶が多く焼かれ、この向付もその流れをくんだ遠州好みらしい洗練された「きれい侘び」の世界を示している。光沢のある高取特有の黒飴釉が全体にかかった優美な作品である。