古染付寄向付
- 中国・景徳鎮窯
- 中国・明時代末―清時代初
- 17世紀
- 染付磁製
- D-18 W-17
中国の景徳鎮の民窯で明時代末期に作られたもので、日本では古染付と呼ぶ。中国や欧米に遺品はなく、日本にのみ伝世していることから、日本からの注文で作られた輸出品であったと考えられている。古染付には釉がはじけた、いわゆる虫喰いといわれる部分が見られるのが特徴である。もちろん少ないほどよく、また染付の発色も青の冴えたものほど喜ばれる。しかし、その魅力は何といっても意匠のおもしろさであろう。特に向付には動物、鳥、蝶、魚貝、植物などさまざまなものが造形化され、見る者の目を楽しませてくれる。もともとは1種で5客、10客揃いのものであるが、これは違う図柄、形のものを集めた寄せ向となっている。当時の茶人がその好みを焼かせた古染付。そのデザイン感覚には感服させられる。