牛頭文様金製蓋

  • 中央アジア西部
  • 紀元前3千年紀後期-紀元前2千年紀初期
  • 3-2mB.C.
  • 金,トルコ石
  • H-1.3 D-8

この作品は金製で何らかの器の蓋であったと思われるが、そこに打ち出しと彫金で表現された正面向きの牡牛頭部には、額中央に丸いトルコ石が嵌められ、髭がほぼ放射状にひろがり、その末端に何らかの貴石を象嵌したと思われる円形の窪みが巡らされている。額のトルコ石の象嵌は当初のものか明確ではないが何らかの象嵌がなされていたことに間違いはない。これらの煌びやかなバクトリア青銅器文化が栄えた頃から、メソポタミアとこの東方地域との交易は衰退して行った。そして東方からもはや金が以前ほどには入手できなくなったが、ラピスラズリだけはメソポタミアからエジプトへの朝貢貿易の主要な品目でありつづけたのである。