野生山羊とライオン装飾腕輪(一対)やせいやぎ らいおんそうしょくうでわ

  • アケメネス朝ペルシア 
  • 紀元前6世紀-紀元前4世紀
  • D-8

この美術品が作られたであろうアケメネス朝ペルシャ帝国はその版図をエジプト、小アジアから中央アジアまで拡大した。イラン高原では古くから野生山羊の角をつけた神霊の姿が表現され、大変重要な意匠であったことが考えられる。ここに見られる一対の腕輪にもやはり野生山羊の意匠が見られるが、その背中から襲いかかるライオンが組み合わされている。しかし山羊の凛とした姿には変わりが無く、ライオンが山羊を滅ぼすというよりも、これらの重要な要素が意匠的に組み合わされたものだったのであろう。ライオンが王を象徴するのと同じ位古くから野生山羊は偉大なるものを意味していたと思われる。