月燈三昧経巻第三
- 奈良時代
- 8c
- 紙本墨書
- H-27.5 W-1097
月燈三昧経 巻第三
巻首:月燈三昧経巻第三
巻尾:月燈三昧経巻第三 「おばま」の赤ペン書きがある。
表紙:茶色の油紙のようなもの
本紙:黄麻紙に墨界線、紙の上の余白に茶色の油がある。
軸 :杉材、上下は撥型で赤漆(つぶつぶがある朱を塗って、透漆をかけたような感じである。)
紙幅:7.6cm
一紙長
1、54.3 2、55.9 3、55.9 4、55.8 5、55.8
6、55.9 7、55.8 8、55.9 9、55.8 10、55.9
11、55.8 12、55.8 13、55.8 14、55.8 15、55.8
16、55.9 17、55.8 18、55.9 19、63
箱:外黒漆、内朱塗りで、菊型の金具付きの箱入りである。表には金文字で「無畫」と題字あり。
評:奈良の写経生の手を思わせる謹厳な文字で、後期の荘重な書体である。黄紙朱軸は貝葉経のイメージに則った伝統的な装丁であり、奈良後期の作としてよいと思われる。
月燈三昧経は、北斉の那連提耶舎訳(大正大蔵経巻15所収)で、高麗本系では巻10にあたる。天平10年11月9日の本経返送状(大日本古文書巻7)には、月燈三昧経一秩(衣へん)十一巻とあるから、奈良時代には宋元明三本のような十一巻本が行われていたことが知られる。
京都国立博物館に第十一巻があるが、同手と思われる。