桧扇ひおうぎ

  • 室町時代 14-15世紀
  • 桧材に着色
  • 橋長:40.0cm

「招く(おぐ)」という語源から派生した「扇」は、古くから神の依代(よりしろ)とされてきました。夏場に流行しやすい病気や作物に害をもたらす虫を追い払い、その霊力によって無病息災、豊穣を招くという意味を持っていたのです。この桧扇は橋長40センチメートル、27枚の檜の薄板でできています。表裏ともに雲母を刷き、金銀切箔、野毛を散らして、たなびく雲や霞を表し、表には松楓図、裏には遠山紅葉の彩絵を描いています。
華やかな趣を呈するこの檜扇は、熊野速玉大社に伝わる古神宝の檜扇11握と模様、つくり、大きさなどがよく似ており、残る一面である可能性は高いと言えます。

日本一覧へ