夏季特別展Ⅰ
本展覧会は終了しました。
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永田友治(生没不詳)は、江戸時代の中期、正徳・享保年間(1711~1736)ころ京都で活躍した琳派の蒔絵師と伝えられていますが、その実像ははっきりとしていませんでした。にもかかわらず彼の作品は、尾形光琳風の意匠に倣い、独特の緑色系の青漆や友治上げと呼ばれる錫粉を使った高蒔絵を用いる独創的なもので、いずれもミステリアスな光を放っています。彼はまた、光琳の使用した「方祝」の円印や光琳の号「青〻」に「子」を加えた「青〻子」を号として使用するなど、尾形光琳の後継者を強く意識した名を作品に残しているのです。
近年、友治研究家の調査から、江戸中期に京都と大坂を拠点として活動した友治の姿がおぼろげながら見えてきました。今展はこれを機に永田友治の作品を集め、友治がめざしたもの、そして彼の作品の魅力や秘密について、化学分析による研究成果も交えて紹介します。謎の多い永田友治にせまる初めての展覧会です。
※友治の「友」は、「友」の右上に「ヽ」