織部茶入
- 江戸時代
- 陶製
- H-7.6 D-6
慶長年間における美濃窯の主流は、緑釉のかかった織部焼であるが、大量に生産された背景には連房式登窯の登場に負うところが大きい。古くから美濃では登窯のことを唐津窯と呼んでいたことでもわかるように、連房式登窯は唐津の窯に倣って築かれたものであった。古田織部などの当代茶人達の好みを反映して造られた織部は、自由奔放で大胆な作意と技巧的な表現にその特色がある。竹を象ったこの茶入は、織部釉の緑を生かした創造性豊かなものとなっている。織部の白い胎土と緑の釉が鮮やかな作品である。